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タイに移住・長期滞在 | 日本の健康保険とタイの社会保険を比較検証

日本で暮らしている場合は、毎月保険料を納める代わりに病院での治療を安く受ける事ができる健康保険があります。
タイにも同じように社会保険制度があり、タイに住み働いている人にはこの社会保険料の納税の義務があり、その代わりにタイ国籍を持っていなくてもタイの病院に保険適用でかかることが出来ます。
しかし、当たり前ですが日本とタイでは保険で補償される範囲や月々の保険料等が異なります。
今回は日本の健康保険とタイの社会保険を比較検証し、その違いを探っていきます。

 

日本の健康保険とタイの社会保険の保険料を比較

まずは日本の健康保険とタイの社会保険の保険料を比較していきます。

日本の健康保険の保険料

日本の健康保険は、所得や配偶者の有無、住んでいる地域、年齢によって金額が異なり、仮に日本で働いていて年収200万円だった場合、その保険料は月々約13,000円で、400万円だった場合は月々約25,000円前後となります。
タイに移住した後も日本の健康保険料を払い続ける場合で、収入がゼロの場合は月々およそ1,600円の保険料を支払う事で、日本への帰国時に保険適用で病院にかかることができます。(日本の国民健康保険に加入する場合には、住民税も支払う必要がありますので、住民税も保険料の一部としてお考えいただいた方が良いかもしれません。また住民税の支払いにおいては、タイで得た収入も税額計算の基礎となる収入に含まれます。)

タイの社会保険の保険料

タイの社会保険はタイで働いている方は必ず加入しなければならない保険です。
保険料は月給の5%と決まっており、上限は750バーツ。日本円でおよそ2,500円です。
私達日本人はタイ国内での最低賃金が50,000バーツに定められておりますので、タイで働く日本人は全て750バーツの保険料を支払っている事になります。
ちなみにここで言う「月給」には残業代や変動する手当(皆勤手当てや出勤日数に応じて支給される諸手当)は含まれず、基本給+毎月固定で支払われる手当(役職手当や住宅手当など)の金額で計算されています。

タイの社会保険に加入するにはタイの企業(日系企業でタイに進出している企業を含む)に雇用されることが条件となりますので、リタイヤ後、タイに移住される方はご自身でタイで会社を設立しない限りにおいては対象になりません。

 

日本の健康保険とタイの社会保険の補償内容を比較

保険料だけを見るとタイの方が圧倒的に安くて良いのではと思ってしまいますが、大事なのは保険で補償される内容です。
次は日本の健康保険とタイの社会保険の補償内容を比較していきます。

タイ 医療保険

日本の健康保険の補償内容

日本の健康保険の補償内容についてよく知られているのが「医療費の3割負担」です。これは健康保険に加入していて、病院にかかる際に被保険者証を提示する事で、医療費の7割を国が負担してくれる補償の事です。
先進医療など保険適応外の治療もありますが、日常で起こる怪我や軽い病気などは被保険者証があればどこの病院へ行っても同じ補償を受けることが出来ます。
また、傷病手当金や出産一時金、死亡時の一時金など、健康保険に加入している事で給付して貰えるお金もあります。

タイの社会保険の補償内容

タイの社会保険に加入していれば、保険カードを提示すれば指定病院での診察から薬の支給まで全て無料で受ける事が出来ます。
ただし、指定病院は1か所しか選ぶことが出来ない上にローカル病院ばかりですので、日本人を含む外国人が多く訪れるような通訳サービスのある私立病院では社会保険を活用する事が出来ません。(また、なかなか自宅や会社の近くなど、ここが良いという病院の指定がとおらないことも多いようです。)
もちろん日本人に人気のサミティベート病院やバンコク病院など、大手私立病院は選ぶことが出来ないので、よっぽどタイ語が話せてタイに慣れている人でないと外国人で活用するのは至難の業ではないかと思います。

 

日本の健康保険とタイの社会保険の活用方法

比較してみると日本とタイでは保険の補償内容も金額もそれぞれ全く違う事がわかりました。
最後にタイに住みながら日本の健康保険を活用する方法と、あまり活用できなさそうなタイの社会保険を活用する方法をご紹介します。

日本 健康保険

タイに住みながら日本の健康保険を活用する方法

はじめの方に、タイに住みながら日本の健康保険料を払い続ける事で、一時帰国時に日本の病院にも保険適応でかかることが出来るとお話ししたのですが、実はタイの病院にかかる際も日本の健康保険は活用が出来るのです。
タイの病院で治療を受け、日本へ一時帰国した際に健康保険組合へ申請する事で治療費の7割が還付されます。
還付の対象となるのは日本でも保険適用となっている治療のみで、領収書の翻訳など、少々手続きが面倒ではありますが、高額な治療費がかかった場合は結構な額のお金が戻ってくるので活用しない手は無いでしょう。

あまり使う機会の無いタイの社会保険も使い方次第で活きる

これまでのお話で、あまりタイの社会保険は活用できなさそうだなと感じた方もいるかもしれませんが、使い方次第でお得に活用可能です。
まず、軽い怪我や病気の際の薬代です。自身の指定病院へ行き、簡単に診察を受ければ薬を無料で処方してもらうことが可能です。
また、歯科補償は年間900バーツ付いています。これを利用して年に1度歯石取りを行ったりも出来るでしょう。(タイのローカル病院での虫歯の治療は…おすすめしません。)
そしてタイで支払う社会保険の内訳には3%の老齢年金も含まれています。
このお金は55歳で定年したあと受け取ることが出来るのですが意外と知られていない点でもあります。’

 

まとめ

今回は日本の健康保険とタイの社会保険を比較検証してみました。
タイに移住するのであれば保険料がもったいないからと日本の健康保険を抜いてしまうケースも多いのですが、タイに住みながらでもお得に活用できる事がよくわかりました。
収入がなければ保険料もさほど高くはありません。(日本の国民健康保険に加入する場合には、住民税も支払う必要がありますので、住民税も保険料の一部としてお考えいただいた方が良いかもしれません。タイでお仕事をされて所得がある場合でも、日本の所得税の対象ではなく、日本で所得税を納める必要はありません。ただ、タイでの所得も住民税の計算基礎には含まれますので、ご注意ください。)
また、タイの健康保険についても意外と知られていない事が多く、良く知っておけば活用できることが色々あるのだなという印象です。
タイに住む日本人はこれらに加えて、保証の手厚い海外旅行保や現地の医療保険に加入しているケースが多いです。
保険に関する事って、よくわからない部分が多くて後回しにしてしまいがちなのですが、タイ移住の前に一度じっくり検討してみてはいかがでしょうか。